東芝メディカル買収!?ソニーと富士フイルム

DATE: Jan 22, 2016|POSTED BY: HAJIME SHIRASAKA

1月7日の日経新聞朝刊、「東芝医療機器子会社買収、ソニーや富士フイルムが検討」に関する記事が掲載されたが、知財価値評価の観点から分析した。

東芝メディカルの米国特許と、富士フイルムとソニーの米国特許からどちらが買収先としてふさわしいか、弊社提供の米国特許評価システムPatentPiaで独自の簡易評価を実施。

日経新聞の記事が本当であれば、わたしの結論としては、富士フイルムが買収した方が、ソニーと比べて、買収効果が高いと判断した。しかしながら、脆弱性はあるものの、中堅プレイヤーが多くひしめいていることから、それらのプレイヤのー知財ポートフォリオをソニーが囲うことでが優位に立つケースも考えられた。

但し、サムスングループが買収した方が米国特許的な視点においては、興味深い点も述べておく。

以下、ブログ用に簡易結果を少しだけ紹介。

実際には、500近くの評価スコアと、分野毎の分析をしているが、紙面上、割愛。

(1)東芝メディカルの知財力

米国特許数1091件のうち、PatentPiaの独自評価では、知財活用性の高いSランクは残念ながらなく(あくまで、弊社独自の評価のため、絶対的な評価ではないことをご了承願います)、積極的に知財活用するためのポテンシャルは決して高くない。

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List 1

(2)訴訟状況

また、2015年においては、集中的に6つの米国訴訟を提起されている点が懸念事項である。

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List 2

(3)東芝メディカルの特許を引用した特許リスト

図1は、東芝メディカルの特許を引用した米国特許の件数を企業ごとにまとめたものである。上位には、シーメンス、GE、日立メディカルとなり、(一部企業を省略したが)追従して富士フイルム、サムソンメディソン、そして、ソニーが追いかける。

東芝メディカルの特許を引用していることから、当該技術に近く、かつ意識した特許を各社出願しているわけであり、技術的な親和性が鑑みれる。

スライド1

図1

 図2は、東芝メディカルの特許を引用した富士フイルムとソニーの比較した図である。

スライド2

図2


(4)類似特許リスト

東芝メディカルと類似する特許を機械学習により、相関性を算出したところ、図3のような結果となった。

詳細な分野毎の紹介は避けるが、GE、シーメンス、フィリップスが極めて類似した特許が多く、サムソンメディソン、富士フイルム、ソニーが追従している。省略したが、その他プレイヤーも多数。

スライド3

図3

 図4は、東芝メディカルの米国特許と類似しているもので、その米国特許より出願日が先行している率を示しており、サムスンメディソンだけが50%を超えていることがわかる。なお、サムスンメディソンは200程度の米国特許しか有していないが、Aランク特許もほどよく有しており、医療業界の後発ダークホースとして面白い位置づけである。

スライド4図4

まとめ

医療3大メーカーのGE、フィリップス、シーメンスに追従するために、東芝メディカルを富士フイルムとソニーのいずれかが買収するのであれば、知財ポートフォリオの視点では、冨士フイルムの方が買収効果は高い。また、中堅プレイヤーが多くひしめき、そのプレイヤーを囲うことでソニー優位の可能性あり。

ただし、サムスングループの知財ポートフォリオは強力な側面をもち、東芝メディカルとの親和性も高く興味深いことを記す。

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